「今日は、大事な話聞いた」
一人の男の子がそういってくれました。
中学1年生の国語の授業で、国語を勉強する意味のようなことを、お話いたしました。
「知識」
漢字、ことわざ、慣用句だけでなく、背景になるものも。
だから、理科・社会の勉強も。
「論理」
国語は、センスだなんて、ナンセンス。
そんなことを言いながら。
論理的に読むことは、技術だから、練習すればできるようになります。
そこを鍛えるのが、授業です。
「イメージ」
言葉、それは、話された言葉であったり、書かれた言葉であったりします。
その言葉から、情景を思い浮かべることは、楽しいことです。
「言語化」
自分の中にあるものを取り出して、他者に伝わるものにする。
それは、音楽だったり、写真だったり、いろいろな形があるかもしれない。
国語という科目は、それを言葉によってなすのです。
「共感」
おもいやり、想像力といってよいかもしれません。
体験をたくさんストックしておくといいです。
全く同じ体験である必要はないのです。
私が〇〇に対して感じたことと、彼がコレに感じていることは、
同じでなくても、近いのかもしれない。
比の関係のように、「考える」ことが、きっかけになります。
コミュニケーション力と言われますが、
それは笑いをとる力ではありません。
他者との関係を築いていく力です。
言葉で伝わる思いがあります。
何を言わないかに注目すれば、人間性がわかります。
「あなたは」 そのひと言で伝わる温度があります。
メッセージに添えられた「ありがとう」から感じるものがあります。
コミュニケーション力は、伝える側面ばかりが強調されがちですが、
受け取る力もまた、大切な力だと思うのです。
冒頭に書いた男の子。
受け止める力のある彼は、今後どんな風に成長されるのでしょう。
彼の力を全て出し切れるよう、
みんなの本気の力を出し切れるような授業をしたいと思います。
「国語を通してコミュニケーション力を」
言い換えれば、他者とつながる力を身につけてほしい。
そんな大それたことを考えながら、今年度も授業をはじめています。