
子供が赤ちゃんや幼児のうちは世話に時間がかかり、協力してくれる人やシステムを探すのも大変です。まして海外に出れば、その苦労は倍増します。
もちろん海外での子育てには、苦労を補ってあまりある楽しさや喜びもあります。今回は海外で子育てをする難しさについてお話しします。
言葉、コミュニケーションの問題
親が勉強したことのある英語を話す国においてすら、生活の場で不自由なく言葉を話し、周囲と問題なくコミュニケーションをするのは大変です。ましてや英語圏以外の国では、コミュニケーション面での苦労は絶えません。実際に筆者は現在イタリア在住ですが、この手の苦労話は尽きることがありません・・・。
更に言うと、子育て環境では自分のことだけでなく、子供について話し、説明することも多いですし、その場面は多岐にわたります。子供の教育や医療の場面においては、日本でも「これどういう意味?」と思うような聞き慣れない単語が多く登場しますが、これは外国でも同じです。
私自身もイタリア語に苦労している身ではありますが、気がついてみるとボキャビュラリーは買物・教育・医療にといった分野が中心になってしまいました・・・。
子育ての協力者を見つけづらい

小さい子供をお持ちの方なら分かると思いますが、親はなかなか家を離れられず、ましてや複数の子供のうち一人が病気になると、親自身と他の子供達の予定にも影響が出ます。
こんな時、国内にいれば親の実家やベビーシッター、病児保育などのサービスを通じて有償・無償の助けを利用することが出来ます。けれど海外に出てしまうと当然実家は日常的に頼ることは出来ませんし、ベビーシッターなどのサービスも移住したばかりのころだとまだ勝手が分かりません。
うまくサービスを見つけられたとしても、やはり言葉の問題があります。サービスを頼む親だけではなく、実際にシッターさんと時間を過ごす子供も言葉を喋れ・理解できなければ、シッターさんとコミュニケーションが取れないので、親としてはこれも心配です。
ここでも問題は言語能力となかなか切り離すことは出来ませんが、それを除いたとしても、少なくとも移住当初は日本のようにはスムーズに行かないのが実際です。
日本語や日本の習慣を忘れさせないようにすること
現地の生活・習慣にも慣れて、コミュニケーションも大分スムーズになって来た頃、直面する問題がこちらです。様々なところで言われている通り、子供の順応性は高く、海外の環境を受け入れて外国語を話し始めるのは大人よりもずっと早い。けれど、その分日本語や日本の習慣を忘れて行くのも早いのです。
身近に他の日本人家庭がなく、海外の日本語補習校などにも通わせていなければ、子供が日本語を話すのは自宅の家族とのみ。学校で多数のお友達や先生と絶え間なく外国語で会話していることを考えれば、日本語と外国語の能力、どちらがより伸びて行くかは明白です。これはマナーや習慣、食事の嗜好などについても同様です。
海外で暮らし続けることを選ぶのならば別ですが、いずれは帰国することが決まっているのなら、積極的に家庭、または補習校などでの日本語と日本文化の学習を考えなければなりません。
大人もそうですが、「バイリンガル」とは単純に外国語に堪能な人のことを指すのではありません。外国語と日本語の両方が流暢でなければ成り立たないのです。特に子供の場合は、様々な状況に対する順応性が高い分、親が意識してバランスよく両方の言語・文化を吸収できる環境をつくる必要があります。
終わりに
今回の記事は、海外で子育てをする方を怖がらせるために書いたものではありません。冒頭で述べた通り、海外での子育てには知らない言葉や文化の吸収などの良さがあります。自主性の芽生えや自由な気質を育むことなど、国内では経験できない素晴らしいメリットもたくさんあります。
しかし、メリットだけに目を向けると、実際に行ってから難しいことばかりだと感じかねません。そうした事態を避けるためにも、あらかじめ難しさを知って備えておくことが大切です。
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