2016/05/18
「大きなお世話」?
最近「親学」ということばをよく見かけます。政府の諮問機関、教育再生会議がまとめる「親学に関する緊急提言」の概要が公表されたからです。
「早寝早起き朝ごはん」「長時間テレビを見せない」などと細かい内容が盛り込まれています。その趣旨は、このコラムのテーマ「子どもの未来―大人が変わろう」と同じで、大いに賛成です。
ただ提言に関する新聞記事などを見ると、読者(親)の反応は、「こんな細かいことまで」「大きなお世話だ」と、批判的なものが多いようです。提言内容に関してはさまざまな考え方があるでしょう。それより私は、
読者(親)の「大きなお世話だ」との反応がとても気になりました。
最近、「お世話」が衰退しているように思います。「大きなお世話だ」と他人の干渉を嫌う人たち。一方「大きなお世話だ」と言われるのを恐れ、何も言わない人たち。そこに生じる「他人への無関心」が、大人の子供に対する態度にも表れているように思います。
いじめ、公共の場でのマナー、家庭での生活の乱れ。どれも大人(親)がかかわって子供を変えていくためには「大きなお世話だ」と言われるのを恐れず、子供に接していかなければなりません。そして子供の友達、地域の子供たちにもそうすることが必要です。
政府の諮問機関が、「親学」をあえて提言しなければならない時代。「大きなお世話」ぐらい、あっても良いのではないでしょうか。
(2007年5月18日)