2016/08/17

まねる!

 日頃接している生徒の親にお会いしたとき、しぐさや話し方が生徒とあまりにも似ていて驚かされることがあります。

 「子は親の鏡」「子どもは親の言う通りではなく、する通りに育つ」「この親にしてこの子あり」―子どもは良いことも悪いことも親をまねて育っていくようです。

 「子どもが育つ魔法の言葉」の著者ドロシー・ロー・ノルトさんが、あるインタビューで次のように答えていました。「見ていないようで、子どもは親を見ています。親を見習うように指導するのが本来のしつけです」

 車があまり通らない細い道の横断歩道。赤信号でも渡ってしまう大人が多くいます。たとえ危険でなくても子どもと一緒に渡ると、子どもはそれをまねるようになります。そして「赤信号でも渡る」ことをまねるだけでなく「ルールは時として守らなくても良い」ということまでまねるようになります。

 ドロシーさんは次のようにも答えています。「親に子どもができるのではなく、人は子どもができて初めて親になるのです。親になるための訓練も学習も必要なんです」

 親が、ほかの親をまねて学習することも大切です。情報が多すぎて子育てに迷いが多い現代だからこそ、さまざまな人の体験から学ぶことが大事ではないでしょうか。成功体験はもちろん失敗も反面教師として生かせます。

 「まねる」それは子育てのキーワードではないでしょうか。

(2007年8月17日)※次回は8月31日です。