2016/11/30
子どものサイン?
2学期のある日、イングのある教室で、中学校3年生の女の子がずいぶん早い時間に来て自習を始めました。こんなに早く来ることは今までになかったので、先生は不思議に思い、遠くから様子を見ていました。彼女は浮かない顔で、勉強もはかどっていないようです。先生は彼女のところへ行き、そっと声をかけました。するとその子は急に泣き出して、こう言いました。
「今日、学校で懇談があって、志望校は厳しいって言われてん。家に帰ったらお母さんにも、もうやっても無理ちゃうか、志望校変えたらって言われた。志望校が厳しいのは私の勉強不足で、自分のせいやねん。でも私、頑張っても無理なんかな。意味ないんかな…」
彼女は泣き崩れてしまいました。「最後まであきらめるな。目標に向かって、自分が納得するまでやってごらん。先生も応援するから。」と、先生は励ましたそうです。
子どもは、時に厳しい現実を突きつけられ、ヤル気を失ってしまうことがあります。壁を乗り越えられず、大人に「助けて」という信号を送ることがあります。この女の子が早い時間に教室に来たのもこの信号だったのでしょう。
自分の力で壁を乗り越えさせることは大切なことです。ただ、何気ない子どもの信号に気づき、支えてやることは大人(親)の大切な役割なのではないでしょうか。
(2007年11月30日)