2017/02/01

ありがとう!

 先日、高校1年生の女の子が「先生、自習してもいいですか」と、教室にやってきました。もうすぐ定期テストなので、その勉強をしにきたのでしょう。数時間後、自習を終え、彼女は出口の前でこちらを向いて、にっこりほほえんで言いました。「先生、ありがとうございました。」

 毎年、合格発表の日、先生たちはどきどきしながら、教室で待機しています。電話が鳴るたび教室に緊張が走ります。「もしもし、先生? 合格したよ!」「そうか!やったな、おめでとう!」「うん、先生、ありがとう!」私たちの仕事は、子どもたちの「ありがとう」に支えられています。この言葉を聞くたび、それまでの苦労が吹き飛び、また教える情熱がわいてきます。まさに「魔法の言葉」です。

 しかし、振り返ってみて、私たち大人はしっかり「ありがとう」を言えているでしょうか。儀礼的な「ありがとう」ばかりになっていないでしょうか。

 「お母さん。雨が降ってきたから洗濯物入れといたよ」「本当!?助かったわ。ありがとう!」

 子どもに対しても、素直に感謝の気持ちを口に出したいものです。自分につながるすべてのものへの感謝の気持ちを持ち、素直に自然に「ありがとう」と言えるように、子どもを教え導くのも大人(親)の大切な役目だと思います。(2008年2月1日)