2017/03/08

卒業!

 卒業式のシーズンになりました。そして入学シーズンもまもなくです。

 この時期、特に受験勉強を経て入学する子供たちは、卒業や入学の喜びとともに、「受験勉強からの解放」の喜びに浸っています。「もう受験勉強をしなくていい!」と喜ぶ気持ちはよくわかります。しかし、気になるのは、それで燃え尽きたように勉強をしなくなる子どもが結構多くいることです。

 たとえば高校受験に合格し、高校に進学するということは、新しく高校で学ぶ機会が与えられたことを意味するのですが、その意味を見失った子どもたちは高校で自分のするべきことが見出せません。

 最近の文部科学省の資料によると、高校の中途退学の理由として一番多いのは「学校生活・学業不適応」で全体の38.6%。その中でも「もともと高校生活に熱意がない」という理由が15.4%を占めています。なんとなく進学した子どもの多いことがうかがえます。

 高校や大学に合格することは一つの身近な目標ではありますが、それが目的ではありません。高校や大学で学ぶことにより、知識を深めるとともに能力を高め、自分の夢をかなえる力を得ることが大切なのです。

 卒業とは、すべてが終わるという意味ではなく、身につけた力を生かして挑む、新たな始まりを意味しています。われわれ大人(親)は、日頃からそれを頭において、子どもたちと将来について語りたいものです。 (2008年3月7日掲載)