2017/05/31

がまん!

 ひと昔前のことを思えば、隔世の感があるほど世の中は便利になりました。秒単位で世の中は変わりつつあります。暮らしを便利にしてくれる恩恵に感謝する一方、いったい、どこまで行くのだろう…と、いささか不安に思ったりもします。

 この便利さが広まる速度に比例して、急速に失われているものがあるような気がします。それは「がまんする」ということです。 今の時代、それほどがまんしなくても、耐えなくてもいい世の中になりつつあります。「やりたい」と思えばすぐできる時代。「やりたくない」と思えば容認される時代。「がまんする」という言葉は、死語になってしまうのでしょうか。

「がまんできない」ことの害は、色々な場面で現れています。少し古くなるとがまんできずに新しいものを欲しがる子ども。授業中じっと座っていられずに立ち歩く子供。すぐキレて衝動的に事件を起こす青少年。仕事・学校が続かない若者…。

「がまんできる」かどうかが、人間と他の動物との違いです。自己本位ではない、他人に対する思いやり。そして忍耐力。私たち大人(親)が実践し、子どもたちに示したいものです。(2008年5月30日)